貧血
貧血とは
女性だけに起こるとは限らない
貧血といえば、女性に多く見られる症状ですが、男性でも見られます。血液中の赤血球数が少なくなる、またはヘモグロビンが低下することによって起こります。また、貧血といってもその原因としては別の病気であることも考えられますので、少しでも気になる症状があるときには、早めの受診をしていただいたらと思います。
健診などで判明することも
よく健康診断や人間ドッグなどでも再検査を指摘される方も多いと思います。Hb(ヘモグロビン)という数字で男性と女性でそれぞれ正常値が微妙に異なります。
- 男性:14.0~18.0g/dl
- 女性:12.0~16.0g/dl
貧血の種類
貧血には様々な種類があります。
まずは貧血の原因を考える必要があります。
- 血液の病気が隠れている 血液内科で専門的に精査が必要となることもあります。
- お身体のどこかに出血性のご病気が隠れている 原因の検査が必要です。例えば、下血や便に血液が混じる、便が黒くなる(タール便)などでは、消化器の検査で胃カメラや大腸内視鏡などの検査を考えないといけません。
- 女性では、不正出血や月経過多による貧血です。 婦人科的な診察をおすすめします。
最後に一番多いのが
- 鉄欠乏性貧血です。 上記の原因でも引き起こりますが、お食事の偏りでも鉄欠乏性貧血となります。
鉄分の多い食品
例えば、鉄分の多い食品には、下記などがあげられます。
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このような貧血は徐々にすすむので、ご本人は自覚症状のない場合も多いです。階段の上りおりなどで、疲れる、息があがる、普段から何となくだるい、年のせいかなとか運動不足かなと思い込んでいたら、実は、貧血ということが多々あります。
当院での診療
内服治療
鉄欠乏性貧血では、上記の食事指導でも回復しない、もしくは、貧血がひどい場合には、食事では追いつかないので、医学的に吸収の良い内服の鉄剤を診察で処方いたします。市販のサプリメントも悪くない場合もありますが、やはり医師の処方の鉄剤には勝りませんし、サプリには、その方に不必要な他の成分が入っていたりとサプリによる健康被害も心配です。さらに、鉄剤内服中へ定期的な血液検査で、血液中の【鉄】【フェリチン】など測定し、適切な鉄の摂取量を決めていきます。鉄の過剰摂取による肝機能障害など副作用も心配なので、その点も定期的に診ていきます。
鉄剤の静脈注射
内服の鉄剤では、時に、胃の調子を崩される方もおりますので、その場合は、内服治療から通院による鉄剤の静脈注射へと切り替えます。通院は貧血の程度にもよりますが、週に1,2回の方が多いです。静脈注射ですので、痛みも最初の穿刺(刺す)の時だけで予防接種などより痛みはございません。内服治療やお注射の治療で、順調に貧血が回復すれば、無事卒業です。しかし、いったん卒業しても、数ヶ月後、再度貧血が進んでしまうことが多いので、卒業後も、鉄分の多い食事生活を気をつけましょう。
考えられる症状と原因
症状
- 立ちくらみ
- 全身の倦怠感
- 動悸・息切れ
- 月経・婦人科系の病気(女性の場合)
- 顔色が悪い
原因
- 鉄分が欠乏
- 造血障害
- 外傷などの失血による
- 生理による出血
- 無理なダイエット
- ストレス(胃潰瘍・十二指腸潰瘍)
- 痔 など
対策
- 栄養バランスのとれた食事
- 鉄製の鍋やフライパンを使用した料理
- 医師処方の鉄剤の服用
- 通院による鉄剤の静脈注射 など
貧血について、お困りのことがございましたら当院までご相談いただけたらと思います。
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