汗をかいた後などに、皮膚にかゆみのある小さな吹き出物のようなものはありませんか?
お知らせ6月に入ると高温多湿となり、皮膚のトラブルが多くみられるようになります。お子様でも大人でも汗をよくかく方、汗をよくかかない方でも一時的に大量に汗をかいた後に、皮膚にぶつぶつができたりしませんか?今回はあせもについて紹介します。
●あせもとは●
あせも(汗疹・かんしん)は汗を排出するための汗管が詰まることにより発症します。皮膚に小さい水ぶくれ(水疱・すいほう)やぶつぶつ(丘疹・きゅうしん)ができます。
皮膚は表面から、表皮・真皮・皮下組織の3層からなっていますが、汗がたまる層によって、あせもの種類が分けられます。
表皮の一番表面にある角質層にできる水晶様汗疹(すいしょうようかんしん)は、直径1~3mmの水ぶくれができますが、炎症やかゆみはなく気づかないこともあります。白いあせもとも呼ばれます。
あせもの中でも最もよく見られる一般的なあせも・俗に赤いあせもと呼ばれる紅色汗疹(こうしょくかんしん)は、角質層よりも深い表皮内に汗がたまりできます。赤い小さなブツブツができ、かゆみを伴うのが特徴です。アトピー性皮膚炎の方がなると、多発性汗腺膿瘍(たはつせいかんせんのうよう)が起こりやすいです。
真皮内に汗がたまることにより起こる深在性汗疹(しんざいせいかんしん)は、熱帯などの極端な高温の環境下に長時間いると発症し、熱射病を伴うこともあります。
あせもは、乳児や子供の汗を多くかく部位、くび・顔・頭にできやすく、大人では、くび・ひじやひざの裏・胸・背中などにできやすいです。
あせもがかゆくて、かいてしまうと黄色ブドウ球菌に感染して俗に「あせものより」と言われる多発性汗腺膿瘍(たはつせいかんせんのうよう)になることもあります。こうなってしまうと、人にうつる可能性もあります。
この時期に発症しやすい水虫とも症状が似ることもありますが、 水虫はカビの一種である白癬菌(はくせんきん)による感染症の俗称です。
●治療法●
肌を清潔にすることで自然に治ることも多いです。
かゆみがある場合は、ステロイド外用薬を処方します。
更にかゆみがひどいときは、かゆみ止めの内服による治療も併せて行います。
多発性汗腺膿瘍(たはつせいかんせんのうよう)になってしまうと、抗生物質の内服をすることもあります。仙川駅前すずきクリニックの漢方内科では、漢方薬を処方することもできます。
●予防法●
あせもの予防は、汗をかかないように注意したり、汗をまめにふき取るなどして、とにかく肌を清潔に保つことです。木綿や麻などの素材が通気性には良いようです。